国産材産地形成における木材流通研究の動向
書誌事項
- タイトル別名
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- Trends in timber distribution research on the formation of domestic timber production region
説明
<p>近年の木材自給率の高まりも相まって国産材の生産地と消費地とを結ぶ木材のサプライチェーンマネジメントの重要性が指摘されている。そこで、本研究では国産材に関する木材流通研究の動向を整理することとした。ここでは、村嶌ほか(2006)を参考に5つの時代区分を設定して主要な研究の動向を把握すると共に、矢作(1996)が示した流通論の分析アプローチの分類を適用して研究手法面についても整理を行った。その結果、1960年代に市売市場の発展に関する研究が多かったが、1970年代と1980年代には国産材の「復権」をテーマに商品開発、産地形成の担い手、産地毎の流通特性が分析された。1990年代になると住宅建築構造の変化に伴うプレカット工場への流通構造の把握が行われ、木材流通における情報技術の活用も議論され始めた。2000年代以降に大規模な製材工場等での木材流通や産直住宅に係る木材流通、2010年代以降には市売市場の機能変化、大規模な製材工場等の経営展開に着目した研究が多くなった。分析手法面では、一貫して機能や構造、担い手に着目した研究は多いが、流通構造とその変化に伴う成果に関する実証的研究は少ないと考察した。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 69-, 2022-05-30
一般社団法人日本森林学会