同所的に生育するブナとイヌブナの葉形質とマイクロサテライト変異

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タイトル別名
  • Variation in leaf traits and microsatellites between sympatrically growing <i>Fagus crenata</i> and <i>F. japonica </i>

抄録

<p>異なる2種間における葉緑体DNAハプロタイプの共有は、祖先多型による不完全な系統仕分け、あるいは過去または現在の種間交雑という2つの仮説によって説明されてきた。垂直的にはブナより低い標高にイヌブナが分布するが、境界付近では同所的に分布する。茶臼山自然園アテビ平小鳥の森(長野県下伊那郡売木村)にはブナとイヌブナが同所的に分布し、葉緑体DNAハプロタイプを共有していることがわかっている。本研究では上記の種間交雑仮説を検証するために、アテビ平のブナ55個体とイヌブナ54個体を対象として、葉などの形態形質の比較および核マイクロサテライト7座の遺伝子型を用いたSTRUCTURE解析とNewHybrids解析を行った。ほとんどの形態形質は連続的であったが、種間に有意差が見られた。STRUCTURE解析(K=2)では、わずかなクラスターの混合(<18%)が検出され、さらにNewHybrids解析によって、クラスターが混合している1個体はイヌブナへの戻し交雑個体と推定された。これらの結果は種間交雑仮説を支持しているが、今後、SNPを用いたゲノムワイドな解析を行い、仮説を検証する必要がある。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855422527298560
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_381
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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