同所的に生育するブナとイヌブナの葉形質とマイクロサテライト変異
-
- 鈴木 春音
- 名古屋大学農学部
-
- James R.P. Worth
- 国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所樹木分子遺伝研究領域
-
- 戸丸 信弘
- 名古屋大学大学院生命農学研究科
書誌事項
- タイトル別名
-
- Variation in leaf traits and microsatellites between sympatrically growing <i>Fagus crenata</i> and <i>F. japonica </i>
抄録
<p>異なる2種間における葉緑体DNAハプロタイプの共有は、祖先多型による不完全な系統仕分け、あるいは過去または現在の種間交雑という2つの仮説によって説明されてきた。垂直的にはブナより低い標高にイヌブナが分布するが、境界付近では同所的に分布する。茶臼山自然園アテビ平小鳥の森(長野県下伊那郡売木村)にはブナとイヌブナが同所的に分布し、葉緑体DNAハプロタイプを共有していることがわかっている。本研究では上記の種間交雑仮説を検証するために、アテビ平のブナ55個体とイヌブナ54個体を対象として、葉などの形態形質の比較および核マイクロサテライト7座の遺伝子型を用いたSTRUCTURE解析とNewHybrids解析を行った。ほとんどの形態形質は連続的であったが、種間に有意差が見られた。STRUCTURE解析(K=2)では、わずかなクラスターの混合(<18%)が検出され、さらにNewHybrids解析によって、クラスターが混合している1個体はイヌブナへの戻し交雑個体と推定された。これらの結果は種間交雑仮説を支持しているが、今後、SNPを用いたゲノムワイドな解析を行い、仮説を検証する必要がある。</p>
収録刊行物
-
- 日本森林学会大会発表データベース
-
日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 381-, 2022-05-30
日本森林学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390855422527298560
-
- 本文言語コード
- en
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可