多雪山地高標高域に生育するミズナラの遺伝的分化

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タイトル別名
  • Genetic differentiation of Japanese oak (<i>Quercus crispula</i>) growing at high altitude in snowy mountains

抄録

<p> 多雪山地の高標高域では、亜高山帯針葉樹林の代わりに落葉低木林が広がる偽高山帯が成立する。ミズナラ Quercus crispula var. crispula とその変種であるミヤマナラ Q. crispula var. horikawae は、偽高山帯を含む高標高域の森林の構成樹種であるが、ミズナラは少雪地に分布する一方、ミヤマナラは多様な積雪環境下で生育することがわかっている。しかし、両変種の間の差異については未だ不明な部分が多い。本研究では、両変種間の遺伝的な差異を解明することを目的に調査を行った。青森県八甲田連峰内に生育する8集団から葉を採取し、核SSRマーカー12遺伝子座を用いた遺伝分析を行った。また、2018年に八甲田連峰内のミズナラ2集団とミヤマナラ1集団から種子を採取し、青森県内の標高の異なる3地点に設置した圃場に播種し生育させたのち、葉フェノロジーと成長量を調査した。その結果、展葉に要する積算温度は圃場や種子の産地によって異なり、中標高の圃場で大きく、またミヤマナラ集団の方が大きかった。また成長量は、低標高の圃場やミズナラの方が大きかった。本発表では、核SSRマーカーを用いた遺伝分析の結果と合わせて、両変種間の遺伝的な差異について考察する。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855422527316992
  • DOI
    10.11519/jfsc.133.0_464
  • 本文言語コード
    en
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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