トチノキ個体における雄性器官と雌性器官への繁殖投資効率
書誌事項
- タイトル別名
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- Efficiency of reproductive investment in male and female organs in individual Japanese horse chestnut trees
説明
<p> トチノキ個体の地上部投資量を測定し、生産した種子数と他個体の花粉親となった種子数によって、雄性器官と雌性器官への投資効率を評価した。京都大学芦生研究林モンドリ谷16haを含む由良川源流部110haで測定した。モンドリ谷の着花個体21本のうち8本DBH40~150cmにトラップを十字に配置し、各器官の落下量を2次元正規分布にあてはめ全量を推定した。種子数は21本すべてで林床の果皮数から推定した。枝幹への投資量は幹成長から推定した。モンドリ谷の着花個体から採取したサンプル種子の花粉親をマイクロサテライトマーカーで推定し、その組成を果皮数から求めたモンドリ谷15976種子と谷外の種子にあてはめた。投資量は全体101~491kg、 繁殖器官0.5~59.7kg、平均7.7%、雄性器官0.4~30.2kg、雌性器官0.1~45.7kgであった。雌性器官への投資に対して種子数はほぼ比例するのに対して、雄性器官による花粉親となった種子数は大きくばらつき頭打ちとなった。投資量あたりの種子数で投資効率をみると、少ない投資量では雄性器官のほうが高いがばらつきが大きく確実ではなく、投資量が大きくなると雌性器官への投資効率よりも低くなった。</p>
収録刊行物
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- 日本森林学会大会発表データベース
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日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 476-, 2022-05-30
日本森林学会