ヘキシル3-グリセリルアスコルビン酸は糖化反応終末生成物により誘導される表皮細胞内メラノソームの蓄積を阻害する

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タイトル別名
  • 3-<i>O</i>-Glyceryl-2-<i>O</i>-Hexyl Ascorbic Acid Prevents Melanosome Deposition Induced by the Accumulation of Advanced Glycation End-Products in Keratinocytes

抄録

<p>糖化反応終末生成物(AGEs)は,メイラード反応を介して生成され,高齢者や光老化皮膚に蓄積することが知られている。AGEsの蓄積した皮膚では,弾力性低下や硬化,表皮バリア機能の低下などを示し,AGEsは皮膚老化の誘導因子として考えられている。また,近年,表皮細胞におけるAGEsの蓄積が色素斑形成シグナルの活性化に関与していることが明らかにされており,表皮細胞内のAGEs生成を抑制することは,色素斑形成を予防するための有用なアプローチであることが考えられた。そこで本研究では,アスコルビン酸誘導体の一種である,ヘキシル3-グリセリルアスコルビン酸(VC-HG)を用いて,AGEs生成抑制作用に起因した色素斑形成予防の可能性について検証した。グリオキサール処理により生成される表皮細胞内のAGEsをカルボキシメチルリジン(CML)生成を指標として評価した結果,VC-HGがその生成を抑制することを確認した。また,VC-HGは,表皮細胞内のAGEs蓄積によって誘導されるメラノソーム(MS)の貪食亢進を抑制し,MS分解に関与するカテプシンの活性低下を改善した。以上の結果から,VC-HGは表皮細胞内のAGEs産生を抑制することで,表皮細胞内のMS蓄積を阻害し,色素斑形成を予防する作用が期待される。</p>

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参考文献 (24)*注記

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