子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術(<特集>がん診断と治療の新方向 : 医療機器の果たす役割)

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説明

子宮動脈塞栓術は, 有症性子宮筋腫に対して重篤な合併症の少ない, 有効で安全な新たな治療法であり, 子宮全摘術や筋腫核出術などの外科的治療の代替治療として, 海外はもとより本邦でも行われてきている1〜7). 本治療の目的は, 子宮筋腫由来の症状を改善させて, 低下した女性のquality of life(QOL)を改善維持させるとともに, 子宮と卵巣を温存させることにある. 本稿では, これまで発表された主な論文をもとに, 本治療を概説する. 2. 本治療の歴史 子宮動脈塞栓術(Uterine Artery Embolization:UAE)は, 自然分娩, 帝王切開, 子宮外妊娠, 胎盤異常, 外科的手術などによって生じる子宮からの重篤な大量出血に対して, 止血させる安全で有効な治療法として25年以上前から世界中で行われてきた確立された手技である. その成功率は, およそ85〜100%で, 術後には生理は正常に再開し, また妊娠出産をされた女性も報告されている.

収録刊行物

  • 医科器械学

    医科器械学 74 (12), 753-758, 2004-12-01

    一般社団法人 日本医療機器学会

参考文献 (22)*注記

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