広東語話者および北京語話者による標準中国語2音節軽声語の産出について

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  • カントンゴ ワシャ オヨビ ペキンゴ ワシャ ニ ヨル ヒョウジュン チュウゴクゴ 2 オンセツ ケイセイゴ ノ サンシュツ ニ ツイテ

抄録

音声言語の研究(16)

本稿では、規則軽声と非規則軽声の対立という視点から広東語話者及び北京語話者が標準中国語の2音節軽声語を発音する際に方言の影響を受けるかどうか、また受けるならそれはどのようなものかを考察した。また、先行研究のような検査語の前後における声調と文のフォーカスを厳密に統一した実験手法とそれと異なる実験手法の両方を使い、得られた結果に差があるかどうかを考察した。その結果、次に挙げたことが明らかになった。第一に、広東語話者と北京語話者が軽声を産出する際に方言の影響を受ける。第二に、方言の影響にかかわらず、規則軽声語と比べ、非規則軽声語が広東語話者と北京語話者のどちらにとっても習得しにくい。第三に、検査語の前後における声調と文のフォーカスの違いにもかかわらず、得られた結果が不変性を持つ。第四に、軽声語を誤って非軽声で発音されやすい傾向がある一方、本来非軽声で発音されるべき語は正しく非軽声で発音されることが圧倒的に多い。ただし、漢字の“子”が非軽声の時、軽声に発音されやすい可能性があることが示唆された。

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