活動性肺結核患者を対象とした嚥下機能評価に対する後ろ向き症例集積研究(嚥下内視鏡検査を用いた検討)

  • 大野 洋平
    国立障害者リハビリテーションセンター病院リハビリテーション科
  • 伊藤 郁乃
    国立病院機構東京病院リハビリテーション科
  • 金川 泰大
    東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
  • 新藤 直子
    国立病院機構東京病院リハビリテーション科

書誌事項

タイトル別名
  • Videoendoscopic Evaluation of Swallowing in Patients with Active Pulmonary Tuberculosis:A Retrospective Study
  • カツドウセイ ハイケッカク カンジャ オ タイショウ ト シタ エンカ キノウ ヒョウカ ニ タイスル ウシロ ムキ ショウレイ シュウセキ ケンキュウ(エンカ ナイシキョウ ケンサ オ モチイタ ケントウ)

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抄録

<p>目的:肺結核患者の嚥下機能を詳細に評価した報告は過去にない.嚥下内視鏡検査結果から嚥下障害の重症度および特徴について報告する.</p><p>方法:国立病院機構東京病院で活動性肺結核と診断され嚥下内視鏡検査を実施した患者58名(平均年齢85.2)を対象とした.評価は入院後平均23日目に行い,嚥下障害の重症度はFOISで評価した.</p><p>結果:対象者の平均BMIは17,平均Albは2.3 mg/dLと低栄養状態を認めた.平均Barthel Index 8.6とADLの低下を認めた.嚥下障害の原因となる基礎疾患を有する割合は34%であった.71%が重度の嚥下障害(FOIS 1~2)を呈しており,中等度群(FOIS>3)と比較して大幅にBarthel Indexが低かった.76%の患者でとろみ水の咽頭残留を認めた.抗結核薬の投与方法は経口が45%から35%に減少し,対象者の45%が死亡していた.</p><p>結論:肺結核患者は重度嚥下障害を有する頻度が高い.嚥下機能を踏まえて適切な抗結核薬の投与方法を選択する必要がある.</p>

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参考文献 (2)*注記

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