アジア4ヵ国と日本の法人実効税率の比較

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of Corporate Effective Tax Rates among Four Asian Countries and Japan

説明

<p> アジア諸国への資本逃避の懸念が広く共有されている一方で,アジア諸国の法人実効税率の比較が行われることは少ない。本稿では,シンガポール,タイ,中国,韓国という法人税制の特徴が異なるアジア4ヵ国を対象に,EATRとEMTRの時系列的な変化を計算し,日本との比較を行った。その結果,①シンガポールとタイは,日本よりもEATR,EMTRともにはるかに低く,②日本と韓国のEATRの差は12%,中国と日本の差は7%であり,③日本と中国のEMTRがほぼ同じ水準にあることがわかった(機械設備の標準ケース)。こうした分析は,日本の法人税改革の当面の目的がEATRを5~10%引き下げて立地インセンティブを与えることであることを示唆する。また,タックスホリデーを用いた分析では,中国を除く国では免税期間が短い場合に実効税率が逆に上昇するとの興味深い結果が得られた。</p>

収録刊行物

  • 財政研究

    財政研究 7 (0), 209-229, 2011

    日本財政学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855687750801152
  • DOI
    10.50898/pfsjipf.7.0_209
  • ISSN
    24363421
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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