上咽頭病変を契機に発見された結核症例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of nasopharyngeal tuberculosis
  • ジョウ イントウ ビョウヘン オ ケイキ ニ ハッケン サレタ ケッカク ショウレイ

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説明

結核は耳鼻咽喉科領域でしばしば遭遇する感染症であるが,上咽頭結核は結核患者全体の約0.2%と稀である.今回我々は上咽頭病変を契機に発見された結核の1例を経験したので報告する.68歳男性が6ヵ月前から持続する咳嗽,咽頭痛,嚥下時違和感を主訴に受診した.鼻咽腔内視鏡検査では左Rosenmüller窩に白苔を伴う粘膜病変を認め,生検術で抗酸性の桿菌が認められた.喀痰PCR検査で結核菌群陽性,喀痰培養検査でMycobacterium tuberculosisが検出され,上咽頭結核と診断された.指定医療機関で入院加療開始となった際に肺結核の合併が判明した.上咽頭粘膜病変は結核を念頭に置く必要がある.

収録刊行物

  • 口腔・咽頭科

    口腔・咽頭科 35 (1), 25-29, 2022

    日本口腔・咽頭科学会

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