工場排水中の未知物質に由来する阿賀野川水系における原水の異常臭気への対応~原因物質の特定に関する連携と知見~

DOI
  • 高橋 英司
    新潟市水道局 技術部水質管理課
  • 川瀬 悦郎
    新潟市水道局 経営企画部計画整備課
  • 小坂 浩司
    国立保健医療科学院 生活環境研究部 上席主任研究官 博士(工学)
  • 浅見 真理
    国立保健医療科学院 生活環境研究部 上席主任研究官 博士(工学)

書誌事項

タイトル別名
  • Control Measures for Unusual Odor in Raw Water in the Agano River Basin Affected by an Unknown Chemical Originated from Industrial Effluents -Cooperation and Knowledge about Identification of a Causative Chemical-

抄録

平成28年1月末、阿賀野川上流域で工場排水由来の異常臭気による水質汚染事故が発生した。水質汚染事故の原因となった水質項目が臭気であったため、日常的に実施している簡易臭気試験で異常を迅速に検知することができ、また、速やかに上流域の調査を行い、発生源である工場排水が推定できた。国や県の機関と連携し、高分解能質量分析計等による分析結果や原因物質候補の情報共有等を行い、原因物質として2-メトキシ-3, 5-ジメチルピラジンが特定された。原因物質特定後も、分析方法の改良、実態調査等を行い、これらの情報も共有した。本水質汚染事故を踏まえ、未知化学物質の特定には、専門的な知識や高度な分析機器も必要となるため、水道事業体単独よりも、早い段階から国や県の機関と協力することにより、多面的かつ有効な情報が集約され、有効であると考えられた。

収録刊行物

  • 水道協会雑誌

    水道協会雑誌 90 (8), 5-15, 2021-08-01

    公益社団法人 日本水道協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855886882517376
  • DOI
    10.34566/jwwa.90.8_5
  • ISSN
    24358673
    03710785
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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