自然資源管理に関する市民参加論の「限界」再考(論文)

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タイトル別名
  • Reconsideration on Citizen Participation Studies for Natural Resource Management (Academic Article)

抄録

本稿では、自然資源管理に関する市民参加論の国内研究について整理を行い、1980年代の自然保護運動と森林ボランティアを契機とした議論が、①アメリカで発祥したエコシステムマネジメントの導入、②コモンズ論における「共同性」と「公共性」の接合、③市民参加の法制度化への対応という3つの経路から2000年代にガバナンス論に到達したことを示した。こうした市民参加論のガバナンス論化と呼べる状況の一方で、2010年代以降は一連の研究を先導してきた柿澤・井上の議論に停滞が見られているが、その理由は市民参加を取り巻く社会状況の変化に伴い、研究上の到達点が見えにくくなっている点にある。今後、1990年代から論じられていた「限界」を乗り越え、地域に根ざした実効性の高い市民参加を実現していくためには、政策科学としての視点を保持しながら研究を行うとともに、研究者自身が実践の場に深く参与していく必要があると考えられる。

収録刊行物

  • 林業経済

    林業経済 75 (3), 1-16, 2022

    一般財団法人 林業経済研究所

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390855886882707712
  • DOI
    10.19013/rinrin.75.3_1
  • ISSN
    21896801
    03888614
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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