外側腓腹皮神経障害を避けるためシアノアクリレート系接着材による血管内治療を選択した重複小伏在静脈の再発性下肢静脈瘤の1例

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タイトル別名
  • A Case of Recurrent Varices after Surgery (REVAS) of the Lateral Small Saphenous Vein Just Near the Lateral Sural Cutaneous Nerve Treated with Cyanoacrylate Closure

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抄録

<p>小伏在静脈領域の再発性下肢静脈瘤に対して術後神経障害を避けるためシアノアクリレート系接着材による血管内治療(cyanoacrylate closure: CAC)を選択した症例を経験したので報告する.症例は52歳,女性.9年前に左小伏在静脈(SSV)のストリッピング術を受けているが,同側膝窩部に再発を来して易疲労感を主訴に来院した.超音波検査で,左下肢のSSVの外側を走行し膝窩静脈に流入する拡張した静脈(重複SSVのうち外側SSV)が静脈瘤を形成していた(C2r,3-S Ep As Pr SSV 重症度分類VCSS; 5).外側SSVには外側腓腹皮神経が近接して走行しているため術後神経障害を避ける目的で,外側SSVに対してCACを選択した.同時に瘤切除を施行し,さらに残存瘤に対して後日硬化療法(1%ポリドカノール)を追加した.術後は神経損傷なく静脈瘤の消退を認め,自覚症状は改善した.SSVおよびその近傍の下肢静脈瘤ではしばしば神経損傷に留意する必要がある.神経がすぐ近傍を走る場合は硬化療法が第一選択であるが,CACも選択肢の一つとなると考える.</p>

収録刊行物

  • 静脈学

    静脈学 33 (3), 277-281, 2022-08-11

    日本静脈学会

参考文献 (9)*注記

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