移動性精巣の経過観察中に発生した小児精巣成熟奇形腫の1例

  • 出口 幸一
    大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科学
  • 堺 貴彬
    大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科学
  • 五味 卓
    大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科学
  • 正畠 和典
    大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科学
  • 渡邊 美穂
    大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科学
  • 野村 元成
    大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科学
  • 神山 雅史
    大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科学
  • 上野 豪久
    大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科学
  • 田附 裕子
    大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科学
  • 奥山 宏臣
    大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Prepubertal Mature Teratoma of the Testis Observed During Retractile Testis Follow-Up
  • イドウセイセイソウ ノ ケイカ カンサツ チュウ ニ ハッセイ シタ ショウニセイソウ セイジュク キケイ シュ ノ 1レイ

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抄録

<p>1歳3か月,男児,主訴は右陰囊腫大.生後7か月時より右移動性精巣に対して外来経過観察中,右陰囊の腫大を認めた.右陰囊内に表面平滑で弾性硬の腫瘤を触知し,超音波検査で囊胞を有する長径約2 cmの腫瘤性病変を認めた.術前診断として精巣捻転後変化もしくは良性精巣腫瘍が考えられ,手術の方針となった.手術は陰囊アプローチで腫瘤を摘出し,術中迅速病理検査では悪性所見を認めず,精巣を温存した.病理学的所見にて,囊胞は線毛・立方・扁平上皮に覆われ,囊胞壁内に気管支腺様構造や軟骨組織,脳組織を認めたため,成熟奇形腫と診断した.術後半年経過し,患側精巣の萎縮や腫瘍の再発は認めていない.小児精巣疾患の外来経過観察中に陰囊腫大を認めた場合,精巣腫瘍の合併も念頭に置くべきである.</p>

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