妊娠期に無機ヒ素曝露を受けた孫世代マウスの精巣における網羅的DNAメチル化解析
書誌事項
- タイトル別名
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- Genome-wide DNA methylation analysis in the testes of F2 male mice gestationally exposed to arsenic
説明
<p>【目的】化学物質曝露が次世代やそれ以降の世代にまで健康に悪影響を及ぼすという多世代・継世代影響が指摘されているがその詳細はほとんど明らかになっていない。我々は、次世代への健康影響が報告されているヒ素を対象に、次世代影響メカニズム解析をすすめている。これまで、妊娠期ヒ素曝露したF0から得られたヒ素群F2の精子DNAでは、ゲノムワイドにメチル化が変化することを見出している。本研究では、F2精子のDNAメチル化変化に影響を及ぼす因子の探索に向け、網羅的DNAメチル化解析から妊娠期ヒ素曝露がF2精巣DNAに及ぼす影響を検討した。</p><p>【方法】妊娠8~18日に水または85 ppmの亜ヒ酸ナトリウム水を自由飲水させたC3HマウスF0からF2(対照群、ヒ素群)を得た。17週齢のF2雄から精巣を摘出し、ゲノムDNAを抽出後、Reduced representation bisulfite sequencing (RRBS)ライブラリーを作製した。次世代シークエンス後、BismarkによるマッピングでCpG サイトを同定し、methylkitで解析した。各CpGのannotation の付与はHomerで行った。</p><p>【結果・考察】RRBS解析の結果、ヒ素群F2精巣ではゲノムワイドなDNA低メチル化が観測された。同定した全CpGと、対照群に対してヒ素群でメチル化が10%以上上昇または低下したDifferentially Methylated Cytosine (DMC)とをannotation分類すると、精子と同様に、特にLINEでDMCの出現率が高かった。LINEは精巣及び精子においてヒ素の影響を受けやすい領域であることが示唆された。また、プロモーター領域のメチル化が変化した遺伝子の中には、精子形成に関連する遺伝子も含まれており、それらの遺伝子がどのように精子形成に影響を及ぼすのか検討する予定である。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 49.1 (0), P-213-, 2022
日本毒性学会