In vitro末梢神経培養デバイスおよびAI画像解析を用いた毒性評価の検討

書誌事項

タイトル別名
  • Toxicity assessment using in vitro peripheral nerve culture device and AI image analysis

説明

<p>生体模倣システム(MPS)はヒトの生理学的な微小環境をin vitroで再現し、機能性を付加した培養技術であり、医薬品候補化合物の評価法としての応用が期待されている。本研究では、化合物が及ぼす末梢神経障害の迅速評価系の構築を目的に、培養デバイスの開発とAI画像解析を用いた評価方法について検討した。初めに、神経細胞の細胞体と神経突起を分離し、伸長した神経突起のみを観察できるマイクロ流路培養デバイスを開発した。本デバイスは、流路樹脂部材を直接光接合(Photobonding(R))により製作しており、既存の樹脂製流路デバイスにある接着剤などの溶出による培養評価系への影響がない。樹脂材料には観察性に優れ、薬剤吸着性の低いCOP(Cyclo olefin polymer)を用いている。次に、Poly-L-lysineおよびLamininでコートした流路内に、妊娠15日ラットより採取した胎児脊髄後根神経節(ガングリオン)を1個/流路の密度で播種した。マイクロ流路内で培養することで神経突起は流路方向に沿って方向性を持ち伸長した。免疫染色の結果、神経突起の形態変化を明確に解析できることがわかった。また、培養6週目には、流路内を伸長した軸索にミエリンが形成されていることが確認された。蛍光色素を用いて、流路内ミエリンが形成した部分から、神経機能に関連するCa2+の動態を計測できた。デバイス内で神経突起を分離した1か月以上の培養に成功したことから、培養から薬剤刺激、蛍光観察までの一連の試験プロセスが可能であることが示された。末梢神経毒性を引き起こすことが知られている抗がん剤投与による評価については、本会にて報告する。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390856141143302528
  • DOI
    10.14869/toxpt.49.1.0_p-230
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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