モルモットのヒスタミン及びヒスタミンH<sub>4</sub>受容体作動薬誘発アレルギー性結膜炎モデルの最適化

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タイトル別名
  • Optimization of histamine and histamine H<sub>4</sub> receptor agonist-induced allergic conjunctivitis model in guinea pigs

抄録

<p>[緒言]アレルギー性結膜炎の患者数は未だ増加傾向にあり、その治療薬の開発ニーズは依然として高い。医薬品開発において、薬効評価を精度良く行うためには、使用するモデルの再現性を確認し、一定の基準で評価を行うことが重要だが、アレルギー性結膜炎の動物モデルの作製法や評価法について詳細に検証された文献はなく、標準化された基準もない。そこで我々は、ヒスタミン及びヒスタミンH4受容体作動薬(4-methylhistamine、以下4MeHA)を誘発物質としたアレルギー性結膜炎モデルを対象に、モルモットを用いて既報のモデルの再現性の確認並びに改良を試みた。</p><p>[方法]ヒスタミン又は4MeHAを動物の両眼結膜嚢に点眼して結膜炎様症状を誘発し、評価に最適なヒスタミンと4MeHAの投与量を検討した。次に、市販の抗ヒスタミン薬又はヒスタミンH4受容体拮抗薬をそれぞれのモデルに点眼して薬効を確認した。評価項目は、一般的に用いられる結膜炎スコア、眼部引っ掻き行動の観察、結膜中の色素漏出量測定とした。結膜炎スコアの観察にはDraize又はMcDonald-Shadduckの基準を採用した。</p><p>[結果]ヒスタミン誘発モデルでは、既報よりもヒスタミンの投与量を上げる必要があったが、非常に簡便で安定して結膜炎様症状を誘発でき、抗ヒスタミン薬の薬効評価も可能であった。4MeHA誘発モデルでは、結膜及び虹彩の充血が認められ、ヒスタミンH4受容体拮抗薬で特異的に抑制された。血管透過性の亢進や引っ掻き行動の増加はみられず、アレルギー性結膜炎の症状を網羅的に反映したモデルではなかったが、簡易的なスクリーニングモデルとして活用できる可能性は考えられた。いずれのモデルも、結膜炎スコアの観察にDraize又はMcDonald-Shadduckの基準を採用することで、評価の曖昧性が排除され、より客観性の高い評価方法とすることができた。 </p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390856141143304960
  • DOI
    10.14869/toxpt.49.1.0_p-243
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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