ヒトの副作用予測に向けた機械学習アプローチ
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- 安部 賀央里
- 名古屋市立大学大学院薬学研究科 レギュラトリーサイエンス分野
書誌事項
- タイトル別名
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- Machine learning approach to predict the adverse drug reaction in human
抄録
<p>医薬品開発では非臨床試験等の結果からヒトの安全性についての評価を行うが、予測ができなかった有害事象は、臨床試験の中止や市場撤退等の重大な影響を引き起こすことがある。特に、特異体質性副作用は発生頻度が稀であり、用量依存性を示さないため、非臨床試験からの毒性予測は極めて困難である。また、臨床的にも治験の症例数では検出することは難しい。そのため、新薬の開発段階において、特異体質性副作用を引き起こす可能性のある候補物質を予測できれば、臨床試験や市販後の安全性評価の効率化につながる。</p><p>一方、コンピュータの発展により、人工知能技術を用いた高度なデータ解析が可能になり、医療分野においても大規模医療情報と人工知能が活用されている。そこで、副作用や毒性発現の既知情報に基づき、化学物質の構造情報やインビトロ実験データを活用して医薬品の毒性を予測するインシリコ手法が開発されており、ヒトの副作用を直接予測する試みも進められている。特異体質性副作用のインシリコ予測が可能になれば、開発候補物質自体の毒性のみならず、合成段階での不純物やヒト特異的代謝物等の開発段階で生じる多種多様な化学物質の毒性を予測することで、効率的な安全性評価に貢献できる。</p><p>我々は、機械学習と大規模医療情報に着目し、ヒトの副作用をインシリコで予測する研究に取り組んでいる。本シンポジウムでは、特異体質性副作用であるスティーブンス・ジョンソン症候群や中毒性表皮壊死症等の重症皮膚副作用を対象とし、医薬品医療機器総合機構の医薬品副作用データベースであるJADERを活用した予測モデルについて紹介する。さらに、特異体質性肝障害について、化学構造情報やインビトロ実験情報を用いた予測モデル開発の取り組みについても紹介したい。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 49.1 (0), S13-1-, 2022
日本毒性学会