培養神経細胞及び Microelectrode array を利用した薬物誘発痙攣予測に関わる検討~ラット初代培養神経細胞 vs ラット in vivo モデル/臨床
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- 小田原 あおい
- エーザイ株式会社
書誌事項
- タイトル別名
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- Study for drug-induced seizure prediction using cultured neurons and microelectrode array - rat primary neurons vs rat in vivo model/clinicalclinical
説明
<p>薬剤による痙攣誘発は、臨床上の重大な有害事象のひとつである。医薬品候補開発中に痙攣リスクが明らかになるのは、ほとんどの場合、動物の毒性試験においてである。より早い開発初期の段階において、動物で発生する痙攣を予見可能なin vitro試験法の開発が望まれる。</p><p>本研究では、ラットin vivo試験で痙攣を誘発した脳脊髄液(CSF)濃度との比較において、ラット初代培養神経細胞と微小電極アレイ(MEA)を用いた痙攣評価法の痙攣リスク予見性を議論する。5種類の痙攣誘発陽性薬物(Paroxetine、Fluvoxamine、4-Aminopiridine、Pentylenetetrazole、Strychnine)がラットに痙攣を誘発したCSF濃度は、明確な痙攣閾値濃度があることを示した。Fluvoxamineを除くこれらの薬物のin vivo試験での痙攣閾値CSF濃度以上で、ラット初代培養皮質神経細胞を用いたin vitro MEA試験のパラメータ中の“Network Burst Frequency”の変化が顕著であることが明らかとなり、in vitro試験によるin vivo痙攣リスク予測の可能性が示唆された。</p><p>次にこのin vitro MEA試験系を用いて、臨床で問題となったFluoroquinolone系抗菌薬と非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の併用による痙攣リスクが検出可能かを試み、痙攣兆候の取得に成功した。さらに、痙攣誘発陽性薬のPentylenetetrazoleを陽性コントロールとして、臨床で痙攣を誘発したFluoroquinolone系抗菌薬とNSAIDの組み合わせにおいて、MEAパラメータの多変量を用いた主成分分析(PCA)によりGABAA受容体の阻害が予測可能であった。</p><p>In vitro MEA試験法は、痙攣兆候の取得及び痙攣作用機序解析に有用であることが示された。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 49.1 (0), W1-3-, 2022
日本毒性学会