腹部造影CT動脈相における肝細胞癌病変の視認性の向上:最適な疑似カラー画像化の利用

  • 赤嶺 寛地
    九州大学病院医療技術部放射線部門 九州大学大学院医学系学府保健学専攻 : 博士後期課程
  • 杜下 淳次
    九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野
  • 倉本 卓
    神戸常盤大学保健科学部診療放射線学科
  • 濱崎 洋志
    九州大学病院医療技術部放射線部門
  • 寳部 真也
    九州大学病院医療技術部放射線部門
  • 和田 憲明
    九州大学大学院医学研究院臨床放射線科学分野
  • 石松 慶祐
    九州大学大学院医学研究院臨床放射線科学分野
  • 牛島 泰宏
    九州大学大学院医学研究院臨床放射線科学分野
  • 加藤 豊幸
    九州大学病院医療技術部放射線部門
  • 石神 康生
    九州大学大学院医学研究院臨床放射線科学分野
  • 佐々木 雅之
    九州大学大学院医学研究院保健学部門医用量子線科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Improvement of the Visibility of Hepatocellular Carcinoma Lesions in Early Phase Abdominal Contrast Enhanced Computed Tomography Images: Utilization of Optimal Pseudo-Colorization

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説明

【目的】本研究は,腹部造影コンピュータ断層撮影(CT)動脈相における肝細胞癌(HCC)病変の視認性が,rainbow カラーマップを使用した適切な疑似カラー画像化によって改善することを目的とした. / 【方法】医用画像表示用液晶ディスプレイに表示されるgrayscale およびrainbow カラーマップの色度を,色彩輝度計を使用して測定した.2017年4月から2019年12月までに腹部造影CT動脈相を撮影された22症例のHCC病変を対象とした.22症例において,HCC病変と肝実質の間の色度の違い(bE00)を評価した.適切なカラー画像化として,ウィンドウレベル(WL)のみを変更して,HCC病変のコントラストがRainbowカラーマップのbE00の最も高いピクセル範囲に一致するようにRainbow カラーマップを修正した(revised rainbow).10名の観察者によりScheffeの一対比較法を用いて22症例のHCC病変の視認性を評価した.提案した手法の有用性を調査するため,grayscale,rainbow,revisedrainbowそれぞれにおいて,平均嗜好度(a)を求めた. / 【結果】すべての症例において(a)は,revised rainbow,grayscale,rainbow の順に高かった.これ らの結果は,提案手法であるbE00に基づいた適切な疑似カラー画像化によって,腹部造影CT動脈相におけるHCC病変の視認性を改善できることを示している. / 【結論】腹部造影CT動脈相におけるHCC病変の視認性は,HCC病変のコントラストがrainbow カラーマップ上のより高いbE00のピクセル範囲と一致するようにWL設定のみをシフトすることによって改善された.本提案手法は,さまざまな症例やカラーマップに適用でき,標的病変の視認性を簡単に向上させることができる.

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