進行非小細胞肺癌におけるゲノム医療の臨床開発

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  • 岡本 勇
    九州大学大学院医学研究院呼吸器内科学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Clinical Development for Cancer Genome Medicine in Advanced Non-Small-Cell Lung Cancer
  • シンコウ ヒショウサイボウ ハイガン ニ オケル ゲノム イリョウ ノ リンショウ カイハツ

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説明

日本人の死因第1位を占める『がん』.なかでも肺がんは癌の死因の第1位であり,わが国においては年間7万人を超える患者が亡くなる.肺がん健診により早期発見の努力がなされてはいるが,診断時にその半数以上が遠隔転移を伴う手術不能の進行肺癌であり,全身状態が保たれていれば抗がん剤による薬物療法の適応となる.進行肺癌に対する薬物療法の治療成績は,20年前は平均生存期間が12〜15か月と極めて厳しいものであった.しかし近年,遺伝子異常に基づく分子標的治療の導入により治療成績は著しく改善し,5年以上に渡り日常生活を維持できている症例も多く経験するようになっている.この肺癌治療の長足の進歩は優れた分子生物学的基礎研究の成果が礎となっていることは言うまでもな いが,質の高い医師主導臨床研究の積み重ねが治療成績向上に繋がったことは,この疾患領域においては特筆すべきことである.本稿においては,肺癌薬物治療が如何にして進歩してきたのか,その中で医師主導臨床研究がどのような役割を果たしてきたのかを,我々の研究の一端を含め紹介する.

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