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- 磯貝 明
- 東京大学 特別教授 大学院農学生命科学研究科 生物材料科学専攻
書誌事項
- タイトル別名
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- Conversion from Paper Pulp to Cellulose Nanofibers(CNFs)
- ―Structures and Characteristics of Diverse CNFs, and Their Current R&D and Challenges―
- ─多様なCNFの構造・特性・課題と国内外の研究開発動向─
抄録
今世紀に入り,セルロース繊維から様々な方法で「セルロースミクロフィブリル」を分離してナノセルロース類に変換する方法が見いだされ,そのナノ構造や特性解析が進められてきた。さらに,各種高分子あるいは各種無機材料との複合化・機能材料化の研究・開発が世界レベルで検討されている。植物セルロース繊維の効率的な単離―精製プロセスと関連する技術は主に紙パルプ産業,繊維産業によって蓄積されてきており,原料となる木材セルロースは,製紙用パルプの生産量がある程度維持されている限り安価である。今後,ナノセルロース類の量産化・用途開発が進めば,低価格化が期待できる。プラスチック,ゴム等の成形用高分子の生産量は国内だけでも2,000万トン/年ほどに至るため,わずかな添加量の複合化により高強度・高弾性率・高靭性が高分子基材で達成できれば,結果的にナノセルロース類の生産量の増加となる。金属材料からの代替,化石燃料由来の高分子の使用量の削減,海洋マイクロプラスチックの削減,さらには,再生産可能な植物バイオマスを化石資源原料から一部代替した循環型社会基盤の構築,大気中のCO2の固定化物であるCNFの材料への利用量の増加により,グローバルな環境・資源問題の防止・低減につながる可能性がある。また,新規ナノセルロース類の調製を目的とした研究開発の過程で,これまで多様な化学前処理方法が見いだされてきており,それらはそのまま,「結晶性セルロースミクロフィブリル表面への位置選択的な荷電基の導入による新しい,特異的な機能性パルプ繊維の調製と特性解析」という繊維状セルロース,製紙用パルプの新しい効率的な,元の結晶構造を維持したままの化学改質法としての研究・技術領域を構築しつつある。
収録刊行物
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- 紙パ技協誌
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紙パ技協誌 76 (8), 706-712, 2022
紙パルプ技術協会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390856218602691968
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- ISSN
- 18811000
- 0022815X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可