食経験が酸味の異なるイチゴジャムの嗜好性に及ぼす影響

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タイトル別名
  • Effect of eating experience on preference for strawberry jam with different sourness

抄録

<p>【目的】イチゴジャムを製造する際にはペクチンによる硬化の促進や色を鮮やかにする目的でレモン果汁やクエン酸を添加することが多い。しかしながら、これらによる有機酸含有量の増加は味と嗜好性にも影響を及ぼすと考えられるため、調査した。</p><p>【方法】 有機酸含量が異なる(0.8〜2.0%)ジャム試料を調製し、官能評価によって甘味、酸味、嗜好性を評価した。官能評価は「ジャムのみ」、「パンに塗る」、「ヨーグルトに添える」の3つの方法で実施した。評価者の日常的なジャムの利用法についても併せて調査した。</p><p>【結果・考察】 官能評価の結果、ジャムの甘味の強さは有機酸含量の増加とともに低下し、酸味の強さは有機酸含量の増加とともに高まった。これらの差は「ジャムのみ」で評価した際が「パンに塗る」、「ヨーグルトに添える」で評価した際よりも明確に示された。</p><p> また、嗜好性については「ジャムのみ」で評価した際は有機酸含量による差は見られなかった。一方「パンに塗る」、「ヨーグルトに添える」については、全評価者で解析するといずれも差は見られなかったが、日常的な利用法によって評価者を分けて解析すると差が見られた。ジャムを日常的にパンに塗って食べる評価者は、パンに塗って評価した際には嗜好性に有意差が見られたが、ヨーグルトに添えて評価した際には差が見られなかった。一方、ジャムを日常的にヨーグルトに添えて食べる評価者は、ヨーグルトに添えて評価した際には嗜好性に有意差が見られたが、パンに塗って評価した際には差が見られなかった。これらの結果から、ジャムのように単独で利用しない食品の嗜好性を調査する際には評価者の食習慣を考慮する必要性が示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390856229465778816
  • DOI
    10.11402/ajscs.33.0_29
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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