超解像光学顕微鏡で細胞を見る

  • 加藤 薫
    産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門

書誌事項

タイトル別名
  • Observation of the Cell with Superresolution Microscopy
  • チョウカイゾウ コウガク ケンビキョウ デ サイボウ オ ミル

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抄録

<p>光学顕微鏡は,マイクロメーターレベルのものを,主な観察対象とする光学器械である.光学顕微鏡の分解能は,『光の波長』と『対物レンズの開口数』で決まり,200 nm程度が限界で,それを越えることは不可能とされてきた.しかし,光とレンズに,別の要素(特殊な照明方法や,画像処理や,蛍光色素の性質等)を加えると,光学顕微鏡の分解能の限界を超えられるとわかり,2000年代後半には,様々な超解像光学顕微鏡が実用化され,光の波長以下の数十nmの構造が観察可能となった.2014年には,超解像顕微鏡の開発で顕著な業績を上げたS.W. Hell博士,E. Betzig博士,W.E. Moerner博士らが,ノーベル賞を受賞し,超解像顕微鏡は,様々な分野への広がりが期待されている.この小文では,実用化された超解像光学顕微鏡を中心に特徴を解説する.</p>

収録刊行物

  • 顕微鏡

    顕微鏡 57 (2), 76-81, 2022-08-30

    公益社団法人 日本顕微鏡学会

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