第2次安倍政権とその政策

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タイトル別名
  • The 2nd Administration of Prime Minister Shinzo Abe and its Policy

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説明

本稿では,2012年に発足した第2次安倍政権の政策展開の構図・戦略について検討する。安倍晋三氏は,この政権において経済最優先を旗印とし,自らの経済政策「アベノミクス」を前面に押し出した。しかし,これは第1次政権以来の,安倍氏の保守的信条を背景とした「戦後レジームからの脱却」という目標の放棄ではない。むしろ,未達成の憲法改正への意欲を繰り返し語り,経済政策をその支持調達の手段として用いた。実際,アベノミクスを政権のシンボルとして,現実主義的な姿勢をアピールし,またステージ化することで,社会保障や消費増税といった重要課題も経済活性化の論理へと吸収していき,幅広い有権者の期待感を持続させることに成功した。こうして選挙での連勝,長期政権という実を得たが,経済こそが政権の正統性の源泉として定着し,憲法改正への民意を問いづらいというジレンマを抱えることとなった。

収録刊行物

  • 選挙研究

    選挙研究 35 (1), 5-18, 2019

    日本選挙学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390856351209377408
  • DOI
    10.14854/jaes.35.1_5
  • ISSN
    18840353
    09123512
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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