舞台芸術における継承可能な技術 -世阿弥能楽論とプラトン『イオン』篇との比較から-

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  • ブタイ ゲイジュツ ニ オケル ケイショウ カノウ ナ ギジュツ : ゼアミ ノウガクロン ト プラトン 『 イオン 』 ヘン ト ノ ヒカク カラ

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本稿の目的は,舞台芸術における技術とその継承について考察することである。第一に,技術にまつわる知識とはいかなるものかを整理するために,プラトンの初期対話篇である『イオン』を資料とし,ホメロス吟唱を巡るソクラテスと吟唱詩人イオンの対話から「技術についての知識」の問題について検討する。第二に,主客の共同性をもち,その都度の再現が不可能な舞台芸術という形態において,個人の役者に限定される技術がいかに継承されるかという問題について考察する。これは『イオン』篇との比較対象として,室町時代に能を大成した世阿弥の各伝書を資料として用いる。とりわけ後期の総合的能芸論である『拾玉得花』における「陰陽和合論」から,舞台にまつわる技術の一般化の問題について考察する。

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