ICTを活用した中学校社会科地理的分野の学習指導

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書誌事項

タイトル別名
  • Learning instruction of the junior high school social studies geographical field that utilized ICT
  • Through the study of “What the region should be”
  • 「地域の在り方」を通して

抄録

<p>平成29年に学習指導要領が改訂され,その総則に,予測困難な時代に一人一人の生徒が豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが示されるなど,ESDの視点を位置付けた指導がすべての教育活動に求められるようになってきた。</p><p> 豊かな人生を切り拓き持続可能な社会の創り手を育成するには,従来のような内容中心の学習ではなく,育成すべき資質・能力中心の学習指導を行うことが必要であるとされるようになった。そのため,すべての教科等で「主体的・対話的で深い学び」の授業改善が推進されるようになり,「深い学び」を実現する鍵として,それぞれの教科等で「見方・考え方」を働かせることが求められるようになった。</p><p> そのため,平成29年版中学校社会科地理的分野の学習は,ESDの視点を位置付けるとともに,社会的事象の地理的な見方・考え方を働かせた科学的探究のプロセスを経ることを通して,個別的知識を概念的知識に高めること。それを踏まえて持続可能な社会に生きて働く資質・能力を育成することが求められるようになり,価値判断,意思決定する学習指導が求められるようになった。そのため,地理は地理科地理ではなく社会科地理であることが明確になったと言える。</p><p> ところで,社会的事象の地理的な見方・考え方を働かせるには,どのような学習指導を行ったらよいのだろうか。地理は学部(学科)が設置された大学によって,理科系に含まれる大学と文化系に含まれる大学とがある。このように,地理は理科的な要素と社会的な要素の両方を兼ね備えた教科だといえる。しかし,地理の学習がどうあるべきかを考える際に,理科的な視点から考察した例は少ない。そこで,地理の学習指導の在り方を考えるに際して,理科ではどのような資質能力や学習方法が求められているのかを改めて考察することが必要だと考えた。</p><p> 理科では,自然の事物・現象を,質的・量的な関係や時間的・空間的な関係などの科学的な視点で捉え,比較したり関係づけたりするといった理科的な見方・考え方を働かせる際に,観察や実験などの科学的探究のプロセスを踏まえることが求められている。</p><p> しかし地理では,理科が理科的な見方・考え方を働かせる際に重視している観察や実験にあたるプロセスについては,必ずしも重視されているとは言えない。観察や実験にあたるのは,地理ではフィールドワークにおける景観観察や地図における分布の考察などである。地域の景観を観察することや,地図の分布の変容などを捉えるには,ICTを活用することが有効である。そこで,「ICTを活用した中学校社会科地理的分野の授業実践-地域の在り方を通して-」について,発表したい。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390856594643563648
  • DOI
    10.14866/ajg.2022a.0_48
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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