地形とハザードマップに関する教員研修

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書誌事項

タイトル別名
  • In-service Teacher Training on Geomorphology and Hazard Map
  • Achievements and challenges of workshops for teachers in charge of DRR in Ishinomaki City
  • 石巻市防災主任研修の成果と課題

抄録

<p>1 学校防災の自校化を担う教員のための研修  発表者らは,2019年,石巻市教育委員会防災主任研修会でワークショップを担当し,受講した防災主任は読図力が上昇したとこを自ら認める等,成果をあげることができた(小田ほか,2020;Sakurai et al.,2021)。翌2020年度は,新型コロナウィルスがまん延するなか,オンライン研修プログラムを作成,公開した(村山ほか,2021)。そして,2021年度はそれまでの成果と課題を踏まえて,6月と9月の石巻市防災主任研修で,中学校区ごとのグループワークを主体とする,地形図類とハザードマップの読図と避難に関するワークショップを行った。 2 2021年度石巻市防災主任研修 ・6月研修 オンライン講座の動画視聴も交えて,ハザードマップ,地形図,地形分類図の読図法を学ぶ。それをもとに,グループで相談しながら,各自の学区に関する地形とハザード(マップの想定外まで含む)についてまとめる。 ・9月研修 6月研修に基づく各校の成果を持ち寄ってグループでチェックしあう。次に,大谷地小学校を事例として,グループごとに在校児童の避難先とルートを検討する。  市立学校の半数以上が浸水エリアにあって「避難確保計画」の作成が必要であることに基づく課題設定であるが,それが不要な学校も含まれ,またすぐに自校について検討することは難しいと考えられたため,全員で事例校について検討することとした。  各回終了後にオンラインアンケートを行い,概ね肯定的な評価を得たが,課題も見つかり,次回の設計に活かすこととした。 3 2021年度研修の理解度:1月アンケート結果と考察  1月(2022年),2回の研修内容の理解度に関するオンラインアンケートを実施した。(全20問,○×で回答,N=56,右表)  その結果,正答率90%以上の質問が8/20,80%以上が11/20である。全体の正答率は77.2%で,極端に低いものが平均値を下げたと思われ,研修全体としての成果ありと評価できるだろう。台地と自然堤防に関する質問(9と14,とくに前者)への正答率が低く,研修において地形のポジティブな側面への言及が不足していたことが明らかである。一方,研修でめざした,ハザードマップの想定外まで考えるについては,低地の微地形に関する質問(13と15)への正答率が高いことは研修の成果と言えるが,想定条件に関する質問(4と9)への正答率が低く,改善が必須である。  正答率は,教員の高校や大学での授業選択や専攻,勤務校種等との関連が不明瞭で(データ割愛),このことから,教員研修の重要性がさらに強く示唆された。  アンケート結果から,これまでの研修(および動画)の改善すべき点が明らかになった。2022年度研修ではこれを踏まえて,大雨時の避難に関する1回目研修を実施した(6月)。次回以降の研修では避難のタイミング等への展開を検討している。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390856594643574016
  • DOI
    10.14866/ajg.2022a.0_54
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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