「精神障害者の部屋の借りづらさ」の解消における小規模地場不動産会社の可能性――民間賃貸住宅への入居に協力的な経営者・社員の語りの分析から――

DOI
  • 志村 敬親
    東洋大学ライフデザイン学研究科(博士後期課程)

書誌事項

タイトル別名
  • The Potential Role of Small Local Real Estate Companies in Mitigating the Housing-Related Difficulties of People Diagnosed with a Mental Illness

抄録

<p>本研究では「精神障害者の部屋の借りづらさ」を解消するために,東京都内で精神保健福祉領域の支援機関と連携しつつ,精神障害者の入居に協力的な不動産会社に所属する経営者または社員8名に対して,半構造化面接によるインタビュー調査を通じて,分析を行った.その結果,家主や同業他社との強い結びつきや,意思決定できる立場,市場における自らの優位性を認識したうえで,支援機関の機能を有効に活用しながら,障害者の住まい探しに取り組む,小規模地場不動産会社の生存戦略が明らかになった.また,不動産会社の協力的態度を促進するために,支援者の個別の関わり以外に,協力的貸し手を増やすための普及啓発的な関わりや,賃貸住宅市場に対する制度的改良も含めた,重層的手立ての必要性が確認された.そのうえで,手立てを具現化するために,居住支援協議会の活用による精神保健福祉領域と住宅領域の連携強化の必要性を提起した.</p>

収録刊行物

  • 社会福祉学

    社会福祉学 63 (1), 45-60, 2022-05-31

    一般社団法人 日本社会福祉学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390856616523711616
  • DOI
    10.24469/jssw.63.1_45
  • ISSN
    24242608
    09110232
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ