穿刺吸引を行った気管膜様部囊胞の1例

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  • A Case of Mucinous Retention Cyst of the Tracheal Membranous Wall That Was Punctured and Aspirated

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抄録

<p>背景.気管囊胞の症例報告は希少である.穿刺吸引細胞診後,経過観察を行った気管囊胞の1例を経験した.症例.60歳代,男性.体重減少と貧血,倦怠感の精査目的に当院紹介となった.精査の結果,これらの症状はリウマチ性多発筋痛症によるものと診断されたが,その際行われた胸部CTにて気管背側に囊胞性結節が認められた.わずかであったが経過で増大を認めたため,悪性腫瘍を否定できず気管支鏡検査を行った.気管支鏡では,気管膜様部に約10 mmの弾性硬で表面平滑の隆起性病変を認めた.超音波所見は結節内部が無エコーであり,CT所見同様に囊胞性病変が疑われた.経気管支針生検を行い,橙色透明の粘液が吸引され,結果として病変は著明に縮小した.細胞診では悪性細胞を認めず,粘液貯留囊胞と考えられた.1年後のCTで病変は縮小したままであり,今後も画像で経過観察をしていく予定である.結論.穿刺吸引細胞診が診断の一助となった粘液貯留囊胞の1例を経験した.鉗子での生検が困難な際,穿刺吸引細胞診は検討すべき方法と思われた.</p>

収録刊行物

  • 気管支学

    気管支学 44 (5), 383-386, 2022-09-25

    特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会

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