下肢症状を合併するも画像にて腰椎部の脊柱管狭窄所見を伴わない腰椎椎間関節症の治療経験

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  • Clinical report of lumbar facet syndrome complicated with lower limb symptoms without lumbar spinal canal stenosis

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抄録

<p>はじめに:腰椎椎間関節症は腰痛を呈する代表的疾患のひとつであるが,下肢痛やシビレを合併する場合も少なくない.画像にて腰部脊柱管狭窄所見をみとめないにもかかわらず下肢症状を呈した腰椎椎間関節症の治療を経験したので報告する.</p><p>対象と方法:対象は下肢症状を伴った腰椎椎間関節症で以下の項目を満たした9例であった.1)MRIもしくは脊髄造影にて腰部脊柱管狭窄の所見をみとめない,2)脊髄障害を合併しない,3)当該椎間関節ブロックで腰痛のみならず下肢痛・シビレも一時的に消失した.</p><p>結果:男性5例,女性4例,平均年齢46歳.有症椎間はL4/5が5例,L5/Sが3例,L3/4/5の2椎間が1例であった.下肢症状は片側6例,両側3例で,下腿以遠までみとめたものが7例であった.1例は腰痛を伴わず下肢痛のみであった.軽快した1例を除き後枝内側枝熱凝固を施行し,再燃した3例に腰椎固定術を施行した.</p><p>結語:画像にて腰部脊柱管や椎間孔に狭窄所見がないにもかかわらず下肢痛・シビレを合併している場合,選択的椎間関節ブロックにて除痛効果を確認し,関連痛の可能性を探ることが重要と考える.</p>

収録刊行物

  • Journal of Spine Research

    Journal of Spine Research 13 (10), 1146-1150, 2022-10-20

    一般社団法人 日本脊椎脊髄病学会

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