新型タバコの主観的有害性認識度の評価 (松山大学在校生への喫煙防止・禁煙教育の結果)

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  • Evaluation of subjective harmful effects of new types of tobacco: Results of smoking prevention and cessation education for the students of Matsuyama University

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抄録

要 旨<br>目的:紙巻タバコや新型タバコ(加熱式タバコ、電子タバコ)に対する大学生の主観的有害性認識度(以下、認識度)が、喫煙防止・禁煙教育を行うことでどの様に変化するか講義前後で評価した。<br> 方法:共通教育科目において、癌疾患、慢性閉塞性肺疾患等の喫煙が関係する病態や禁煙補助剤の説明、さらに紙巻きタバコや新型タバコの有害性に関する 90 分の講義を 3 回行った。講義終了後、学生にアンケートを配布し、年齢、性別、3種類のタバコに関する認識度の変化(1 :少ない~ 5 :多いの 5 段階)の記載を求めた。<br> 結果と考察:大学生への喫煙防止・禁煙教育において、講義後に喫煙に対する認識度は上昇しており有意差が認められた。3 種類のタバコの中で認識度が最も高いのは、紙巻タバコであり、加熱式タバコ、電子タバコの順であった。紙巻タバコの有害性に関しては、小学校より継続的に教育されているが、新型タバコは近年販売されたばかりであり、毒性が低い等の宣伝が原因と考えられる。また、全ての種類のタバコの有害性に関して、女性の方が男性よりも認識度が高い傾向にあった。この理由として、女性は妊娠・出産等の健康面を考慮しているためと考えられる。一方、講義前の加熱式タバコや電子タバコの認識度が紙巻タバコよりも低い結果であった。特にニコチンやタールが入っていない電子タバコに関しては、講義前の認識度が最も低いため、電子タバコなら喫煙しても良いと考える多くの学生がいると懸念される。<br> 結論:大学生に対する紙巻きタバコや新型タバコに関する有害性認識度の調査から、大学生への新型タバコの有害性に関して教育する必要がある。

収録刊行物

  • 禁煙科学

    禁煙科学 vol.15 (10), 1-8, 2021

    日本禁煙科学会

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