モモイロラショウモンカズラ(シソ科)の学名と核型および新産地

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タイトル別名
  • Nomenclature, Karyology and a New Locality for Pink-flowered <i>Meehania urticifolia</i> (<i>Lamiaceae</i>)
  • Nomenclature, Karyology and a New Locality for Pink-flowered Meehania urticifolia (Lamiaceae)

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抄録

<p>シソ科ラショウモンカズラMeehania urticifolia (Miq.) Makino は,通常は紫色の花をつけるが,時に桃色を呈す花をつける個体があり,モモイロラショウモンカズラと呼ばれる.その学名については,一般に品種名 f. rubra T.B.Lee が用いられてきたが,1966 年に発表された原記載にはタイプ標本の引用がなく,非正式名である.一方,1985 年に桃色の花をつけるラショウモンカズラに対して記載された f. rosea J.Ohara は正式に発表されていることから,モモイロラショウモンカズラに対する正名は f. rosea である.</p><p>モモイロラショウモンカズラは日本と朝鮮半島に分布し,日本では,中部地方および中国地方からの報告があるが,筆者らは2019 年4 月に福井県福井市でモモイロラショウモンカズラを採集し,北陸地方でははじめての採集と考えられた.一方,韓国では多くの地点で採集されており,モモイロラショウモンカズラは日本に比べ朝鮮半島での分布が多いようである.染色体を観察したところ,2n=18 が算定され,x=9 を基本数とする二倍体と考えられた.</p>

収録刊行物

  • 植物研究雑誌

    植物研究雑誌 96 (4), 224-228, 2021-08-20

    植物研究雑誌編集委員会

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