【投稿/症例報告】Ⅱ型呼吸不全を呈した肺血栓塞栓症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of type II respiratory failure associated with pulmonary thromboembolism

説明

肺血栓塞栓症(PTE)では一般的に,血栓塞栓子により肺でのガス交換が障害され,代償的に過換気となり,動脈血二酸化炭素分圧(PaCO2)が低下するI型呼吸不全の形を呈するとされる。今回,II型呼吸不全を呈したPTEの1例を経験したため,報告する。症例は78歳,男性,既往歴に高血圧症とCOPDがあり,長年近医で加療されていた。X年Y-3月頃から労作時呼吸困難が悪化し,階段昇降がきつくなった。X年Y月30日の起床時,動悸と呼吸困難があり近医を受診,SpO276%(room air)と低値を認め当院救急搬送となった。胸部造影CTで右肺動脈主幹部から葉間肺動脈に血栓を認め,右下葉肺動脈,右肺動脈A1,左肺動脈舌区枝と左下葉肺動脈に血栓を認めた。肺野条件では,両肺の上葉を中心として肺野全体が気腫状だった。COPD等の基礎疾患の併存等により代償ができない場合,PTEでもPaCO2上昇を認めることがある。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390856815735781376
  • DOI
    10.24557/kokyurinsho.4.e00107
  • ISSN
    24333778
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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