近世前期儒者の仏教への姿勢についての一考察―十七世紀後半を中心として―

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タイトル別名
  • Study on the Attitude toward Buddhism by Confucian Scholars in the Early Modern Period: Focusing on the Latter Half of the 17th Century
  • キンセイ ゼンキ ジュシャ ノ ブッキョウ エ ノ シセイ ニ ツイテ ノ イチ コウサツ : ジュウナナセイキ コウハン オ チュウシン ト シテ

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抄録

〈要旨〉 これまでの日本思想史研究では、近世前期の儒者は仏教に対して、批判的・敵対的だと見做されてきた。だが、山鹿素行・熊沢蕃山・伊藤仁斎の三者は、仏教の存在を容認する議論を展開している。これは、当時の儒者の仏教に対する姿勢について、彼らが違和感を持っていたためである。特に林羅山・山崎闇斎らの朱子学者は仏教への批判が厳しかった。素行ら三者は、儒教思想の面で朱子学と距離を置いている。つまり、素行らの朱子学批判が、仏教への議論にも反映していると考えられる。これまでの儒仏関係の研究では儒者を一括して儒教陣営として扱う傾向があったが、儒教内での思想の違いが仏教への議論にも関係しているのである。今後は、それぞれの儒者の儒教面での思想の違いを考慮することで、近世の儒仏 関係のあり方がより明確になると考えられる。

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