小児1型糖尿病患者における重症糖尿病性ケトアシドーシスを予防するには―発症要因からの提言

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  • Recommendations to Prevent Severe Diabetic Ketoacidosis in Children With Type 1 Diabetes: A Case Series Study

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抄録

<p>1型糖尿病は,本邦では比較的まれな疾患であるが,糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)で診断されることが少なくない.我々は,当科で管理中の1型糖尿病患者で初診時の血液ガス検査の結果が確認できた47例をDKAの有無および重症度別に分類し,初発時の臨床症状,臨床経過,血液検査結果を解析した.重症DKAを発症した例は全例糖尿病と診断される前に活気不良,腹痛,嘔吐など非特異的な症状を主訴に医療機関を受診し,胃腸炎や感冒と診断されていた.非特異的な症状から糖尿病の可能性を疑うことは困難であったと思われるが,事後の問診で多飲・多尿・体重減少を認めていたことが判明している.丁寧に問診して多飲・多尿が判明し,DKAをきたさずに診断された例もみられた.したがって,感冒症状や胃腸症状を主訴に受診された場合にも1型糖尿病を念頭に置いた問診をすることが重要と考えられた.</p>

収録刊行物

  • 糖尿病

    糖尿病 65 (10), 536-543, 2022-10-30

    一般社団法人 日本糖尿病学会

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