試験管法を用いたセルブロックにおける垂直断面(VSS)観察と水平断面(HCS)の腫瘍細胞分布と細胞量

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  • Tumor cell distribution in layers of vertical split sections and horizontal cross sections of cell sediments in cell blocks prepared by the test tube method

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抄録

<p>目的:分子病理学的検査においてセルブロック(CB)内の腫瘍細胞(TC)含有率は,重要因子の一つである.その算出には TC 分布や TC 量の評価が課題であり,試験管を用いた CB 作製法(試験管法)を用いて,垂直割断面(VSS)観察による TC 分布と細胞量について,水平断面(HCS)観察との比較を行った.</p><p>方法:2016 年 1 月から 2021 年 3 月までに提出された胸水材料 87 検体を対象とした.VSS では,TC 分布を評価するため 3 層(A,B,C 層)に分けた.また,VSS 3 層と HCS の各層の TC をカウントし,100 個以上(TC-H)と 100 個未満(TC-L)の2 群に分類し比較した.</p><p>成績:VSS・TC-H 群 57 検体,VSS・TC-L 群 30 検体,HCS・TC-H 群 47 検体,HCS・TC-L 群 40 検体であった.VSS・TC-H 群 57 検体中 15 検体に TC 分布に偏りがみられた.一方,HCS・TC-H 群 47 検体中 6 検体,HCS・TC-L 群 40 検体中 9 検体に TC 分布に偏りがみられ,HCS・TC-L 群においては B 層および C 層にその傾向がみられた.</p><p>結論:試験管法による CB の VSS 観察は TC 分布と TC 量の評価に有用であり,TC 含有率評価への応用が期待される.</p>

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