新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種事業の全容

DOI
  • 林 修一郎
    厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課 元厚生労働省健康局健康課予防接種室

書誌事項

タイトル別名
  • Overall picture of the COVID-19 vaccination program in Japan

抄録

<p>新型コロナウイルス感染症の流行を受けて,これまでにないスピードで新型コロナワクチンの開発が行われ,前例のない規模で接種が進められた.</p><p>新型コロナワクチンの接種事業は,大別すると科学,実務,政策の 3 分野にわたる様々な取り組みの集大成である.まず,科学の分野として,ワクチン開発と審査・承認や,副反応の評価などがあり,ワクチン接種が可能となるためには,有効性とともに安全性を検証・評価することが大前提であった.次に,ワクチン接種には,ワクチン確保・供給・流通から,接種体制の構築に至る,実務的な取り組みのウエイトが非常に大きい.体制の整備には長いリードタイムを要するため,先の見通しを持って準備を進めることが必要であった.これらを基礎とした上で,接種に関する政策が進められた.接種の法的枠組みの整備や接種に関する判断が行われた.更に,接種には,最終的に,国民に理解を得て接種行動をとっていただくことが不可欠であり,広報やリスクコミュニケーションを適切に行うことは極めて重要であった.</p><p>本稿では,新型コロナワクチンの接種事業の実施に至るまでに,こうした多分野で行われた取り組みの全体像について,具体的な動きを含めて解説する.</p>

収録刊行物

  • 保健医療科学

    保健医療科学 71 (4), 335-345, 2022-10-31

    国立保健医療科学院

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857136553181824
  • DOI
    10.20683/jniph.71.4_335
  • ISSN
    24320722
    13476459
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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