青年期における姿勢と口腔機能との関連に関する実態調査

DOI
  • 枡富 由佳子
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野 枡富歯科医院
  • 後藤 崇晴
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野
  • 市川 哲雄
    徳島大学大学院医歯薬学研究部口腔顎顔面補綴学分野

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation on the relationship between body posture and oral function in adolescents

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抄録

<p>近年,小児における口腔機能の発達遅延や獲得不全により,咀嚼,嚥下の低下が問題視されている.口腔機能発達不全症には,「食べる機能」「話す機能」以外に,体格,栄養,呼吸に関するものがある.今回,「その他の機能」に関係すると考えられる姿勢と口腔機能との関係に注目した.本研究では,永久歯列が完成した前後の青年期における姿勢の状態と口腔機能との関連を調査した.<br>被検者は,1歯科医院にて幼少期から定期管理を継続している小児患者で,第二大臼歯萌出開始期以降の者96 名(男性45 名,女性51 名,平均年齢16.6±2.7 歳)とした.姿勢状態の判定に関しては,被検者に日頃の立ち姿勢を取らせ,検者と本人もしくは保護者が猫背を自覚している場合を猫背姿勢と判定した.口腔機能として,最大咬合力,咬合接触面積,口唇圧,舌圧,咀嚼能力を測定した.<br>被検者96 名の姿勢状態は,正常姿勢と判定されたものは34 名,猫背姿勢と判定されたものは62 名であった.猫背姿勢者の口唇圧,舌圧,咀嚼能力の平均値は,正常姿勢者と比較して低い値を示した.最大咬合力と咬合接触面積では,猫背姿勢者が正常姿勢者と比較して同じか若干高い値を示した.ロジスティック回帰分析の結果から,姿勢に影響する4 つの因子が代入され,咀嚼能力が有意な係数となった.<br>以上の結果より,青年期においては,姿勢が咀嚼能力と有意に関連することが示唆された.</p>

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