過去10年間の膠原病患者を対象とした看護実践領域における研究の概観と今後の課題

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  • Collagen disease nursing practice: 10 years of research and future challenges

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抄録

過去10年間の本邦における膠原病看護実践領域における原著論文・総説をレビューし,現在の研究の動向と今後の課題を明らかにすることとした.「膠原病」「自己免疫疾患」「看護」「全身性エリテマトーデス」「強皮症」「皮膚筋炎」「関節リウマチ」「血管炎」「混合性結合組織病」「シェーグレン症候群」「ベーチェット病」「成人スティル病」を検索用語として文献検索した.「看護の課題」を抽出するという視点で対象となった文献を熟読し「患者の経験・生活状況」「セルフケア」「困難」「心理・認知」「看護」について述べている部分を取り出した.主疾患が異なり膠原病について言及されていない研究など本研究の目的に合わない計63件を除外し,25件を分析対象とした.対象は自己免疫性疾患2件,SLE4件,関節リウマチ19件であった.「患者の経験・生活状況」「セルフケア」「困難」「心理・認知」では,外見の変化への戸惑い,経済・役割の軋轢,疾患と治療両方から来る不安,先行きに対する不安などが示されていた.「看護」では,ライフイベントに合わせた生活調整の支援,見通しを示すこと,家族を含めた社会資源の調整,多職種との連携,継続看護の必要性について述べられていた.慢性疾患として病気と一生付き合っていく中での病期における対象理解の不足,療養行動やQOLに関連する量的研究はまだ少なく今後の課題が示唆された.

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