一般病棟における尿道留置カテーテル関連尿路感染症の発生と適正使用状況について:単施設後ろ向きコホート研究

  • 栢内 直美
    筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院感染管理室
  • 加藤 幹朗
    筑波大学附属病院感染症科 筑波大学附属病院水戸地域医療教育センター・水戸協同病院感染症科
  • 崎浜 智子
    聖徳大学看護学部看護学科

書誌事項

タイトル別名
  • Incidence of Catheter-associated Urinary Tract Infections and the Appropriate Use of Urinary Catheters in General Wards: A Retrospective Cohort Study

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抄録

<p>単施設一般病棟における尿道留置カテーテル関連尿路感染症(Catheter Associated Urinary Tract Infections:CAUTI)の発生と,カテーテルの適正使用状況について後ろ向きコホート研究を行った.対象は2017年4月からの21か月間に,病院内で尿道留置カテーテルを挿入され一般病棟で管理された606症例とした.結果,CAUTIは19症例に発生し,発生率は4.1/1000 device-dayだった.単変量解析で関連が確認されたリスク因子は,挿入時の「慢性心不全(あり)」,「寝たきり度(高い)」と,留置中の「留置期間(長い)」,「閉鎖性の維持(破綻あり)」だった.適正使用状況調査では,適切な理由での挿入が43.4%にしか及ばず,留置中の使用基準遵守率は留置後1週間毎に38.1,35.9,34.3,33.3%と減少した.膀胱洗浄によって閉鎖性の維持が破綻した11症例中3症例にCAUTIを発症した(p<0.01).抜去後の排尿自立支援において,不適切なタイミングでの導尿が30症例(38.0%),抜去後の再挿入が26症例に確認された.カテーテルを留置したままの退院も21症例認めた.CAUTI低減に向けて使用基準の遵守,タイムリーな抜去,閉鎖性の維持,携帯型超音波膀胱容量測定器の導入,専門チームによる抜去後排尿自立支援などケアバンドルの実施向上が望まれた.</p>

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参考文献 (12)*注記

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