α-Gal syndrome 13 例の牛肉特異的 IgE 値の推移と臨床的予後の解析

書誌事項

タイトル別名
  • Analysis of Dynamics in Beef-Specific IgE Levels and Clinical Prognosis in 13 Patients with α-Gal Syndrome
  • a-Gal syndrome 13レイ ノ ギュウニク トクイテキ IgEチ ノ スイイ ト リンショウテキ ヨゴ ノ カイセキ

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抄録

<p>【背景】α-Gal syndrome は,マダニ咬傷によってマダニ唾液腺中の galactose-α-1,3-galactose(α-Gal)に感作された患者が,獣肉の α-Gal に対してアレルギーを発症する疾患である。α-Gal syndrome 患者は哺乳類肉の他,抗悪性腫瘍薬のセツキシマブやカレイ魚卵にもアレルギーを生じる。対処法として,感作原因であるマダニ咬傷回避の指導が重要である。【目的】マダニ咬傷回避の指導による α-Gal syndrome 患者の予後を解析する。【方法】α-Gal syndrome 患者 13 例(初診時年齢 38~81 歳,平均 66.8 歳,男性 8 例,女性 5 例)について,診断と同時にマダニ咬傷回避の指導を行い,その後定期的に牛肉特異的 IgE 値を測定し,臨床的予後を検討した。【結果】13 例中 9 例が,定期的な経過観察中に牛肉特異的 IgE 値が陰性化した(マダニ咬傷回避の指導開始から牛肉特異的 IgE 陰性化までの期間 11~78 カ月,平均 41.1 カ月)。このうち 5 例が獣肉全般の摂取が可能となり,2 例が豚肉のみ摂取可能となり,2 例が恐怖心から獣肉摂取を回避している。【結論】α-Gal syndrome はマダニ咬傷回避の指導によって多くが治り得る。ほとんどの患者がマダニ咬傷には気付いていないため,日常生活上の徹底的な回避の指導が重要と考える。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 84 (5), 407-409, 2022-10-01

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (9)*注記

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