障害年金受給者の生活実態と就労状況

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書誌事項

タイトル別名
  • Living and Employment Situations of Disability Pensioners

抄録

<p> 本稿では,第一に,厚生労働省「障害年金受給者実態調査」の個票データを利用して,障害年金受給者の生活実態や就労状況を確認した。第二に,障害年金受給者の就労状況について多変量回帰分析を行った。主な結論は以下の通りである。①精神障害による受給者は,年金収入も就労収入も低い者が多く,他の収入を加えても,世帯収入が低くなる傾向が強い。生活保護を併給する受給者も多い。②知的障害による受給者では,親や兄弟姉妹との同居率の高さが目立つが,その他は精神障害による受給者と同様の傾向が見られた。③身体障害による受給者では,年金額が高い者ほど就労収入も高くなる傾向があり,この傾向が受給者間の生活状況の格差を大きくしている。④精神障害では,厚生年金3級の受給者が最も生活困窮に陥りやすい。⑤女性の受給者は男性に比べて,年金収入も就労収入も低いが,世帯収入や生活保護の併給状況において,明確な男女差は確認できなかった。</p>

収録刊行物

  • 社会政策

    社会政策 12 (2), 74-87, 2020-11-30

    社会政策学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857226420828672
  • DOI
    10.24533/spls.12.2_74
  • ISSN
    24332984
    18831850
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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