シミュレーションを駆使したRAPN

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抄録

<p> 近年の画像診断技術の向上等により小径腎腫瘍が発見される頻度が高くなってきたこともあり, 小径腎腫瘍 (小径腎がん) に対する標準的治療として, Nephron sparing surgery (腎機能保存手術) が推奨されるようになった. なかでもロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術 (robot assisted partial nephrectomy : 以下RAPN) は高解像度の3D立体視野, 多関節を有する自由度の高い鉗子操作によって, 温阻血時間が短縮され, 腎機能温存や合併症の減少などに関連した良好な治療成績が報告されている. しかしながら, RAPNでは血流の豊富な腎実質に切り込む手技であり, 腫瘍の位置や大きさ, 患者側の因子など, 症例毎によって難易度が変化する. より良いRAPNの手術結果をえるためには, 腎臓の内部構造と腫瘍の位置関係などの外科的解剖学的構造を詳細に理解する必要がある. われわれは, 2015年から術前のCT画像をもとにして, セグメンテーションと呼ばれる画像処理プロセスを行い, RAPNにおける腎腫瘍の解剖学的複雑さを理解し術前計画に役立て, 術中には手術シミュレーションとして外科医を支援してきた. 近年になって, セグメンテーション化された3D画像による手術支援の報告も海外からもみられるようになり, 手術シミュレーションによってRAPNの手術手技を最適化出来る事が示されている. RAPNにおける画像手術シミュレーションは, 手術の複雑さの評価から, 実際のRAPN手術の施行においても有用であり, さらに発展していくと考えられる.</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857226429209728
  • DOI
    10.11302/jserjje.35.2_184
  • ISSN
    2436875X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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