ストレイン超音波エラストグラフィを用いたヒト肘内側側副靭帯前斜走線維束の屈曲・回内・回外に伴う剛性測定

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抄録

<p>肘内側側副靭帯前斜走線維束(Anterior oblique fiber bundles of medial collateral ligament; AMCL)は,上腕骨内側上顆の下面から尺骨鉤状突起に付着しており,強靭で肘の内旋と外反を抑制し,生活や運動において重要な役割を有する,生体内におけるAMCLの力学的機能を理解することは野球等のスポーツによる肘の損傷を診断,防止するうえで重要である.本研究では,ストレイン超音波エラストグラフィ(Strain ultrasound elastography; SE)を用い,生体内において肘屈曲および回内・回外変化を作用させた際のAMCLの剛性を測定することを目的とした.対象は健常20代の男性10名(平均年齢22.6±1.1)とし,測定肢位は仰臥位とし,肩外転角度90°において,肘屈曲角度45°, 90°, 135°の各角度に対し,徒手により最大回内,最大回外を作用させた.超音波リニア型プローブ下部に音響カプラを装着し,皮膚表面からプローブを繰り返し圧迫させる手法であるSEを行い,カプラのひずみに対するAMCLのひずみの比をStrain ratio(SR)と定義してAMCLの剛性を評価した.AMCLのSR 値は,無負荷および最大回内,最大回外を作用させたすべての場合に対して,肘屈曲角度45°で最大の値を示し,肘屈曲角度の増加にともない有意に低下し,135°で最小の値を示したが,最大回内,最大回外作用時の肘屈曲角度45°-90°の範囲においては有意な差はなかった.また,同一肘屈曲角度においては最大回外時に最も低いSR値を示した.本研究結果より,AMCLは肘屈曲角度の増加および回外状態において緊張し,剛性は高くなることを明らかにした.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual60 (Abstract), 161_1-161_1, 2022

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857226429271808
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual60.161_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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