うつ病の音声指標,MDVI・中心力の騒音による影響の調査

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Abstract

<p>WHOのファクトシートによると,2019年の世界のうつ病の罹患者数は2億8000万人にも及んでいる.その社会的損失は大きく,うつ病の早期検出および介入は大きな社会課題であり,安価で簡便にうつ病を検出する技術が求められている.そのため,我々は音声からメンタルヘルス状態を検出する技術,MDVI・中心力というアルゴリズムを開発した. これらの技術は静音環境で録音された音声を基に作られたが,実際の使用シーンでは必ずしも静音環境で運用されるとは限らない.そこで,静音環境で録音した実際のうつ病患者の音声に,プログラムで作成したピンクノイズを加え,ノイズが出力に与える影響を調査した. ノイズは,Signal to noise ratio(SNR)が20 dB,15 dB,10 dB,5 dB,0 dB,-5 dB,-10 dB,-15 dBの8水準の条件で付加された.ここで,SNRとは元の音声とノイズのRMSのレベルの比のことを指す. 元の音声は都内の医療機関に診察に訪れたうつ病患者87名が既定の13定型文を発話したものを使用した.ノイズの影響は,付加した音声と元の音声の出力値の相関係数を出力し,強い相関の目安である相関係数0.7以上になるフレーズの割合で評価した. 中心力は-5 dB以下で0%,0 dBで31%,5 dBで38%,10 dBで85 %,15 dB以上で100%,MDVIは-5 dB以下で0%,0 dBで85%,5 dB以上で100%となった.このことから,MDVIは5 dB,中心力は15 dB より静音な環境で録音された音声に適用することが望ましいと考えられる.</p>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390857226429343360
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual60.250_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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