笛型デバイスとタッチパネルを用いた電子楽器演奏における発音タイミングの評価と合奏の試み

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抄録

<p>新たに従来楽器の演奏技術を習得しようとすると長時間を要する.例として,ピアノ演奏では譜読み,指示されている鍵への正確な打鍵,打鍵及び離鍵のタイミングなど様々な技術が求められ,習得には訓練が必須である.そのため,敷居の高さを理由に断念する人や,習熟効率の低さから挫折してしまう人もいる.筆者らは演奏インタフェースを工夫し,楽器演奏の敷居を下げ,誰でも簡単に演奏できる電子楽器サイミスを開発している.本研究ではタッチパネルと開発した笛型デバイスをインタフェースとした.指で画面上の音符に触れてリズムを制御しつつ,息で音量を変えることができる.演奏は一般の管楽器と類似している.楽曲演奏時の理想と実際の発音時刻差tdを算出し,所望の誤差範囲で独奏並びに合奏を模擬した演奏が可能であることを定量的に示し,有用性とアクセシビリティを明らかにする.独奏で,視覚的にタイミングを予測できるガイド表示を利用すると,短時間の練習で曲の音符数44音の全てに対してtdは400 ms以下であり,全音符の約77 %が200 ms以下で演奏ができていた.合奏を模擬した演奏では,楽器演奏経験者は独奏時と変わらない精度で発音制御ができていた.初心者は200 ms以内に収まる音符数が低下し,tdの最大値も大きくなっていた.しかし練習初期ではガイド表示を活用することにより,合奏は可能であると考える.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual60 (Abstract), 190_2-190_2, 2022

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857226429353728
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual60.190_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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