機械的振動刺激による肘関節リハビリテーションを目的とした運動錯覚増大手法に関する研究

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説明

<p>振動刺激を人の筋や腱に対し皮膚上から与えると,緊張性振動反射(Tonic Vibration Stimulation: TVR)や運動錯覚が誘発される.本研究では,患者の意図する動作を主動筋でTVRの生起により実現し,運動感覚を拮抗筋で運動錯覚の生起により増強するという新たなリハビリテーション手法の可能性を提案する.まず動作と運動感覚の同時生成が可能かどうかを調べるため,動作の主導筋に140 Hz,動作の拮抗筋に60 Hzの振動刺激を同時に与え,主導筋でTVR,拮抗筋で運動錯覚を優位に生起させる実験を行った(実験1).3名の被験者の左腕の上腕二頭筋と上腕三頭筋に対して振動刺激を与え,肘関節屈伸運動の反復動作と運動感覚の同時生成を試みた.次に,振動刺激に加えて同時に皮膚引張刺激を与え,運動感覚の増大が可能か検証することを目的とし,5名の被験者の左腕の上腕三頭筋に対し,振動刺激と同時に,バイブレータと皮膚との接触子を用いて皮膚引張刺激を加え,運動感覚が増大するか試みた(実験2).いずれも試行中,右腕でリアルタイムに左腕で感じている運動感覚を表示させ,両腕の肘関節角度変化を測定し,生成された動作量や感覚量を確認した.実験1の結果より,振動数を交互に変化させ,肘関節の屈曲運動と伸展運動の動作及び運動感覚を交互に生成できることがわかった.実験2の結果より,被験者5人中3人で,振動刺激のみと比較して皮膚引張刺激を同時に加えた場合での運動感覚の増大が確認された.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual60 (Abstract), 206_2-206_2, 2022

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857226429383680
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual60.206_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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