視覚で捉えた映像が生体の立位姿勢動揺に与える影響に関する研究

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抄録

<p>生体の立位姿勢は,視覚,平衡感覚,体性感覚に基づき中枢神経系で制御され,その動作は生活環境,加齢,障害などの状態によって異なっている.生体の立位姿勢解析は,障害者などの中枢神経系の働きの推定や,スポーツトレーニング効果などの評価指標として有効である.先行研究において,波浪や港湾施設をCGにより再現する操船シミュレータの映像を視覚で捉えることにより,生体に立位姿勢動揺が生じていることがわかっている.本研究は,生体の重心動揺の左右方向に対する前後方向の総軌跡長の比を新たな立位姿勢動揺の評価指標として提案し,視覚で捉えた映像と生体の立位姿勢動揺の関係を解明することが目的である.本研究では,操船シミュレータを用いて,波のない映像,生体の前方から後方に波が発生する映像,生体の左斜め前方から右斜め後方に波が発生する映像,生体の左側から右側に波が発生する映像を,実験協力者に提示し,生体の重心動揺を計測した.提案した評価指標により,生体の立位姿勢動揺に,映像の波の向きに基づいた動きが生じていることがわかった.また,生体の下肢構造により,生体の前後方向と左右方向では,立位姿勢の維持の方法が異なることが推察されるが,立位姿勢の左右方向の制御の有無で,重心動揺の解析結果に有意差が生じていることがわかった.以上より提案した姿勢動揺の評価指標は,生体の立位姿勢動揺の新たな評価指標となることが期待される.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual60 (Abstract), 250_2-250_2, 2022

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857226429426048
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual60.250_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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