狭窄長や狭窄数の異なるAVFモデルを用いた血液透析患者のシャント音の音響特性の変化に関する実験的検討

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抄録

<p>【目的】維持透析患者で測定したシャント音信号に対してウェーブレット変換による時間-周波数解析を行い、各周波数成分の振幅スペクトルの大きさをカラーマップ画像として表示し、この解析結果画像間の一致度を表す正規化相互相関係数Rの変化から、シャント音の経時変化を総合的に評価する方法について検討している。今回は、径狭窄率や狭窄数、狭窄長の異なるAVFモデルを作製して擬似シャント音を測定、分析することで狭窄形状や狭窄数の違いがシャント音の音響特性に与える影響について実験的に調査した。【方法】動静脈吻合部下流の流出路静脈に径狭窄率を20%毎に変化させた狭窄長の異なる単一狭窄病変を模擬したAVFモデルと、複数狭窄病変を模擬したAVFモデルを作製した。このモデル内に拍動流循環システムを用いて水を拍動流として流し、流出路静脈上で擬似シャント音を測定した。そして、狭窄がない場合の擬似シャント音と狭窄病変を有するモデルで測定した擬似シャント音のRを算出し、その変化を実験的に調査した。【結果と考察】単一狭窄病変では径狭窄率が増加するにつれてRや回路内流量は一様に低下する傾向が見られたことから径狭窄率に加え、狭窄長もシャント音の音響特性に影響を与える可能性があると考えられた。また、複数狭窄病変では、下流狭窄部で周波数成分の低下やRが上昇しており、測定部位によってもRの変化に違いがみられることが確認できた。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual60 (Abstract), 83_1-83_1, 2022

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390857226429437184
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual60.83_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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